第97回全国高校野球選手権大会は20日、甲子園球場に4万3000人の観衆を集めて決勝が行われ、東海大相模(神奈川)が仙台育英(宮城)を10-6で破り、1970年以来45年ぶり2度目の優勝を果たした。
序盤から点の取り合いとなり、東海大相模が6-6の九回に小笠原慎之介の勝ち越し本塁打などで4点を奪い、参加3906校の頂点に立った。神奈川県勢の優勝は、松坂大輔(ソフトバンク)を擁して春夏連覇した98年の横浜以来。
東北勢は春夏で合計11度目の挑戦も実らなかった。
創設100年を迎えた今大会は第1回大会で優勝した京都二中の流れをくむ鳥羽(京都)など49代表校が出場して6日に開幕し、一度の中止もなく日程が消化された。
「三振してくる」初球打ち
エースの一振りが、東海大相模に45年ぶりの日本一を運んできた。6-6で迎えた九回。高校通算2本塁打の9番小笠原は「思いっきり振る。三振してくる」と次打者の千野に告げ、初球をフルスイングした。打球は高い放物線を描いて右中間席へ。ベンチ前で万歳したまま待つ門馬(もんま)監督に強く抱擁され「死ぬまで忘れられない」と喜びをにじませた。