≪ここで桐生の姿を見たかった≫
北京で開催中の世界陸上のメーンレース、男子100メートルの決勝には、これ以上は望み難いほどの面々がスタートラインに並んだ。北京、ロンドン両五輪の三冠ボルトに、アテネ五輪金のガトリン。そして2007年大阪世界陸上三冠のタイソン・ゲイ(米国)、元世界記録保持者のアサファ・パウエル(ジャマイカ)。さらには20歳の新鋭、トレイボン・ブロメル(米国)とアンドレド・デグラッセ(カナダ)。地元中国からは準決勝を9秒99で走り、アジア出身選手として初めて100メートルのファイナリストとなった蘇炳添。
新旧、未来の王者に地元期待の星を加え、豪華メンバーはスタートラインに立った。
場内アナウンスで名前が呼ばれると、蘇炳添への歓声はボルトやガトリンへのそれを上回った。ボルトは両手で顔を覆い、カメラに向かって「いないいない、ばあ」のパフォーマンス。