衆院本会議で可決、成立した改正マイナンバー法=2015年9月3日午後、国会・衆院本会議場(斎藤良雄撮影)【拡大】
対象となる個人口座数は、今年3月末時点で約8億口座に上る。会津大の山崎文明特任教授(情報セキュリティー)は、1人で複数の銀行口座を持つ人が多いことを踏まえ、「複数の金融機関に自分のマイナンバーが重複して登録されることになる」と指摘。「マイナンバーを持つ企業が増えれば、その分流出のリスクが高まる」と話した。
また、消費者団体「日本消費者連盟」の大野和興(かずおき)共同代表は、銀行口座への適用について「本来知られたくない情報をある意味強制的に見られる仕組み。人権侵害だ」と話した。今後についても「一旦制度が始まれば、解釈や運用、改正法で適用範囲がとめどなく広がっていくのではないか」と懸念を示した。
一方、税分野ではメリットも。預金口座とも結びつければ脱税などが発見しやすくなり、公正な課税が実現できるという。生活保護の不正受給を未然に防げる可能性も高まるほか、犯罪捜査にも役立つ。国税庁幹部は「効率化で浮いたマンパワーを、悪質な所得隠しや富裕層の課税逃れなどの調査に回したい」と強調している。