【KEY BOOK】「タオ 老子」(加島祥造訳/ちくま文庫、691円)
加島祥造は1990年頃から長野伊那谷に独居する現代日本のタオイストだ。アメリカ文学の研究者から東洋思想研究に転じ、やがて老子の体現者であろうとする日々をおくって、数々の和訳や随筆を綴った。本書は『老子』全81章の自由訳で、まことに恬淡として闊達だ。できれば老子の英語訳も読んでおくことを薦めたい。老子はどんなに自由に解釈してもかまわないが、その奥にひそむ密度は、漢文ないしは書き下し、または英訳で感じるのが、案外、見えやすい。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS)
■まつおか・せいごう 編集工学研究所所長・イシス編集学校校長。豪徳寺にあるブックサロンスペース「本楼」の壁面には、老子の言葉「The mighty and great will be laid low;The humble and weak will be exalted.」(強大なるは下にあり、柔弱なるは上にある)を掲げている。「松岡正剛千夜千冊」(http://1000ya.isis.ne.jp/)