私は興味もないので当然近寄ったこともないのだが、あまりにも大きいゆえに一体あとどれくらい歩くとあの塔へたどり着くのか見当もつかない。横倒しにしたらこの稽古場まで届くのかねえ、などと笑いながら、相変わらず皆で、スカイツリーを見上げている。
あの上部にある展望台から国内外を問わぬ観光客が東京の街並みを見下ろしているのだ。しかし果たしてどういう心持ちでああしたところへ上ろうと思うのだろう。忙しい日々の中で獲得した休みをあのような人外の高所で過ごす気が知れない。以前東京タワーに上ったことはあるが、ぐるりと回ったらたちまち飽きてしまった。当時私の住んでいた池袋あたりはどこだろうと探してもあまりにちっぽけなアパートゆえ当然ハッキリとはせず、ただ目の前の建物群に、途方もなく沢山の人々が生活している都市なのだなあということを思うばかりであった。