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新電波塔考2015 長塚圭史 (3/5ページ)

2015.9.12 14:30

毎日この調子で目の前に立ちはだかるのである=2015年8月27日、東京都墨田区(長塚圭史さん撮影)

毎日この調子で目の前に立ちはだかるのである=2015年8月27日、東京都墨田区(長塚圭史さん撮影)【拡大】

  • 【続・灰色の記憶覚書(メモ)】演出家の長塚圭史さん(提供写真)

 そもそも欲張りではないか。一番高くそびえて、世の電波をより広く支配しようという心意気なのだから。もちろんそれはわれわれ市井の者たちの欲望でもあるのだけれど、そういう欲望を集めた象徴であるように思われるのだ。東京タワーで満足できず(ただ旧電波塔などの外観は実のところそれなりに愛してしまっているのだけれど)もっともっとと欲望を重ねて634メートルまで積み上げたのである。男根よろしく屹立(きつりつ)しているなどと表現すれば怒られてしまうのかもしれないが、高所でなお一度膨らむ姿は、これでもかとその力を誇示しているようではないか。

 欲の象徴のようで

 権力者が高所を好むのは自明の理である。権力を示せる、また攻撃を防げる、全体の様子を見渡せる、そして下々を豆粒のように小さく見ることができ、その個性を積極的にないがしろにできるようになるのだ。貧しい子供が泣いていようが、われ関せずと、大きな政(まつりごと)へと邁進(まいしん)する。低所で世を眺めてしまえば、まず通り行く人々の顔が見える、個性が見える。すると同情の心も湧いてきていけない。些末なことにいちいちチクチクと傷ついていては、大きく事は進められぬということか。

井上ひさしさんの『十一ぴきのネコ』

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