目指したのは「この町ならではの酒造り」。20年近く前、ヘリコプターから見下ろした大町・白馬の黄金色に輝く田園風景に、この美しい風景と北アルプスの自然をいつまでも守りたいという思いに駆られました。そこで、原料の米は地元産を使うことに決め、酒米美山錦の契約栽培で農家との協力体制がスタートします。さらに、豪雪地帯の厳しい自然環境を生かすため、新潟県の雪を「利」に変える取り組みを参考に、雪の中で酒を寝かせることを考えつきます。杜氏(とうじ)の賛同を得て試してみると、いつもより丸みのある滑らかな味に。1996年1月末、積雪をショベルカーで掻(か)き分け、生原酒のケースを積み上げシートで覆い、再び雪で埋める「雪中埋蔵」を開始します。天然の保冷庫の中で4カ月間、静かに熟成を重ねた原酒からはフレッシュで華やかな味わいの酒が生まれ看板商品となりました。2005年4月には「アルプス湖洞貯蔵」が始まり、秋に目覚める「ひやおろし」の程よく熟成された味も人気に。同じ仕込みから異なる貯蔵法を経て生み出された酒は、数々の賞を受賞し高く評価されています。