思い切った工夫をしながらも、基本に忠実で手を抜かない酒造りは、ついに地元産酒米100%使用という地域貢献も実現することができました。何においても常に対話を大切にするのが薄井流。契約農家とも勉強会を重ね、刈り取る時期まで一緒に見て回るほどこだわり、愛情を注ぎます。酒米美山錦を生かした酒はと伺うと、「甘口」でも「辛口」でもない「旨口」の酒。主張しすぎず、料理や会話に合わせ、ついつい後を引く酒なのだそうです。そして、お勧めなのは「燗(かん)」。温度によって酸味と甘みのバランスが変わります。「北アルプス三蔵呑み歩き」の会場では、薄井さん自ら、楽しい会話とともに、立ち寄る一人一人に合わせた「燗」をつけてくれる「社長の燗」コーナーが大人気でした。
最近の課題は副産物として残る酒かすの有効活用。以前はどこの家庭でも自家製奈良漬作りに使われていたものが、今はコストをかけ廃棄しなければならない。それはなんとも心苦しいものです。そこで栄養的にも豊富なアミノ酸を生かした商品開発を検討。一つは食品として、もう一つは東京の展示会で目に留まった化粧品に。美容マスクとスキンクリームのサンプルを、地元の女性たちに使ってみてもらったところ大好評。今年のイベントでお披露目されました。