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ホラーは登場人物の人間性も楽しめる 乾ルカ (3/4ページ)

2015.9.20 14:00

札幌の夏の終わりの風物詩「北海道マラソン」が今年も行われました=2015年8月30日、北海道札幌市(乾ルカさん撮影)

札幌の夏の終わりの風物詩「北海道マラソン」が今年も行われました=2015年8月30日、北海道札幌市(乾ルカさん撮影)【拡大】

  • 札幌は寒くなってきました。最近日光が当たる場所を求めている乾家の愛犬・まるが北海道の風景をご紹介します=2015年9月16日、北海道札幌市(乾ルカさん撮影)
  • 作家の乾ルカさん。父親を見送って、作家としても心境の変化が生まれた。「今まで死者の思いを書いてきましたが、残された人間の『悔い』を書きたいですね」=2015年6月9日(塩塚夢撮影)
  • 「お葬式」(瀬川ことび著/角川ホラー文庫、在庫なし)。※電子書籍480円(提供写真)

 この、誰かの死から始まる物語、先祖伝来の弔い方というフレーズ。実に怪しいのですが、実際に作品を読むと印象がまるで異なります。軽妙な文体と、いかにも女子高生といった主人公の心情描写で、どこか楽しい。その後の話の展開も明らかにホラーなのですが、おかしみがある。ユーモアが同居しているのです。

 本書に収録されているほかの作品も、怪異や非日常と接しながら、怖さだけではないユルく和やかな感じや、シュールさ、つい笑ってしまう文章があります。たとえば、収録作の「十二月のゾンビ」。この中に『これがミートソースのスパゲッティだったらつらかったかもしれないけれど、うどんだから…』という一文があるのですが、個人的にはかなりツボでした。いや、そこなのか、そんな言い訳をこの状況でしちゃうのか、というような。どういういきさつでこの一文が出てくるのかは、作品の重要な設定に関わることなので、ここに書けないのがもどかしいばかりです。こういったある種のおかしみは、登場人物の怪異への接し方に、われわれの常識とのずれがあるからかもしれません。この微妙なずらしかたが絶妙なさじ加減で、作品群の一つの個性であり、面白さに繋(つな)がっています。

 ホラーなのにユーモラスな点を強調してしまいましたが、言わずもがな、それぞれの作品には別な要素も潜んでいます。痛快だったり、かすかな悲しみを覚えたり、結末の先を想像してぞっとなったり。短編ならではの切れがいかんなく発揮され、落語のようにオチが見事に決まっているのです。

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