102歳で天寿を全うしたライ・サンペラーヤさんの葬列。人生のクライマックスが葬儀であり、葬儀のために生まれ、葬儀のために死ぬのがトラジャ族の文化だ=2015年8月1日、インドネシア・スラウェシ島(今井竜也さん撮影)【拡大】
サンペラーヤさんの葬式では、50頭以上の水牛が集められ、1頭ずつ喉元を切られていくと、人々は大きな歓声を上げた。特に高価とされ、1頭で車1台が買えるほどという白に黒の斑点が入った水牛が数頭含まれていたから、いかに豪華な葬式かがうかがえた。供宴の場には、トンコナンと呼ばれる屋根が船型の伝統家屋が建てられたが、これらはすべて葬式だけのためにあり、終了後は撤去されるのが通例だ。
出棺の日は、故人との最後の別れで一緒に写真を撮影したり、歌や踊りなどで盛り上がった後、男たちが中心となりひつぎを運ぶ。威勢のよい掛け声を発し、押し合いへし合いをしながらまず故人の生家へ行き、そしてお墓へと向かう。ただ、お墓といっても日本のイメージとは異なり、サンペラーヤさんの場合、おしゃれな小さな民家といった感じだった。お墓の前で皆で祈りをささげ、ひつぎは先に亡くなった夫のひつぎの横に納められた。