商品に化学物質は一切使わない。抗菌や消臭、有害物質を無害化するなどの効能があるといわれる柿渋を、美濃和紙に何度も塗り重ね、手作りで裁断と縫製をする。今ではインテリアからファッションまで幅広く扱い東京・丸の内のKITTEや大阪・あべのハルカスなど取扱店舗も増えた。
柿渋の色味は季節や天候によりまちまち。美濃和紙が醸し出す個性的なシワは、すべて違った表情を見せる。特に人気が高いバッグは、年を重ねるごとに色合いが変わっていく。篠原さん自身が5年間使ったというトートバッグの汚れや日焼けの跡などの味わいは、持ち主と一緒に暮らしてきたことを物語る。「自分で使いたいものを作っていきたい」と篠原さん。
一方、機械化をベースに大量生産に乗り出しているのが1934年創業の美濃市の大福製紙だ。母体は1876年に創業した和紙の卸問屋、松久永助紙店で、ともに美濃市に拠点を持つ。時代の流れに対応し、いち早く機械化に乗り出した。