スパイ活動を行った嫌疑などで中国公安当局に拘束された日本人3人はそれぞれ、北朝鮮から脱出した日本人妻の子供と、民間の軍事愛好家、日中交流に尽力する人物とみられることが複数の関係者への取材で2日、分かった。いずれも中国政府に脅威を与えるような活動をした形跡はなく、中国当局の強引な手法が際立つ形だ。
母親の願いで脱北
「日本人も北朝鮮人も同じ人間。本当の北朝鮮の人々の姿を知ってほしい」
中国北東部の遼寧省丹東で拘束されたとみられる50代男性は周囲にこう話し、中朝国境地域で北朝鮮情報の収集に当たってきた。
男性は数奇な人生をたどった。複数の関係者によると、在日朝鮮人の父と日本人の母を持ち、幼少時の1960年代に北朝鮮に渡った。北朝鮮東部の町で、朝鮮人民軍の宣伝部隊の幹部を務めるなど、一般住民より恵まれた生活を送ったという。父が金日成(キム・イルソン)主席の記念事業に絡み事故死し「労働英雄」として顕彰されたからだという。