共産党関係者は「中国が情報公開に向けて一歩前進したのではない。むしろ逆で、習近平政権が国民に対し『外国人が怖い』というイメージを植え付けようとしている」と分析した。
今回、逮捕された2人の日本人の具体的な容疑は明らかにされていないが、経歴からしていずれも中国の国家機密情報にアプローチしにくい立場にいる。2人は欧米などの法律で裁くなら“スパイ”に認定できない可能性は極めて高い。
事件を受け、中国のインターネットには「日本批判」の書き込みが殺到した。ある軍事評論家がラジオの番組で「遼寧省は旧満州に含まれ、浙江省は日本が植民地支配した台湾から近い。スパイを送り込んだ場所から、日本は中国への領土の野心があることがうかがえる」と解説している。
習近平政権は、民族主義をあおり、日本をたたくことで求心力を維持してきた経緯がある。当初は尖閣問題、次は靖国参拝と反日カードを続々切り出してきた。9月3日の軍事パレードが終了したところで、中国当局は“スパイ事件”を新たな反日の材料にしようとした可能性もある。(北京 矢板明夫/SANKEI EXPRESS)