船内で話し合い交流を深める「次世代教育クルーズ」の参加者たち=2015年8月7日(日本財団提供)【拡大】
【ソーシャル・イノベーションの現場から】
「私たちの住んでいる瀬戸内の良さを感じることができた。今まで、ここは何もなくて他の地域がうらやましいとばかり思っていた」
中高生が留学生とともに瀬戸内の島々を訪ねる「次世代教育クルーズ」が8月上旬、開催された。国際感覚を磨きながら地域の人々との交流や現地調査を通じて地元の良さを学ぶというプログラムで、参加した生徒は、身近過ぎて気付いていなかった地元の魅力を見つけていた。
海と観光の可能性考える
クルーズは、瀬戸内海を共有する7県でつくる「瀬戸内ブランド推進連合」と、JTB中国四国社、日本財団などが実施したもの。
舞台となった瀬戸内海の島々は、人口減少や少子高齢化、地域経済の衰退、航路の削減などさまざまな課題を抱えている。それらの課題に対し、持続可能なツーリズムとしての海洋観光を振興すると同時に、海とともに生きるための海洋教育を発展させることを目的に開催した。次世代を担う子供たちが、若く新鮮な視点で海と観光の可能性について考える機会を設け、地域発展に寄与できる人材を育てることも狙った。