梶田隆章氏の母校、埼玉大学が公開した物理の実験風景。ノーベル賞受賞者ラッシュに、改めて地方の国立大学が注目を集めている=2015年10月7日、埼玉県さいたま市桜区(宮野佳幸撮影)。※画像を一部加工しています。【拡大】
最先端の研究設備が整っている旧帝大には、優秀な教授や学生が集まる傾向が強いが、日本学術会議の大西隆会長(67)は「受験勉強の優秀さと、研究者としての素質は違う。志のある人を全国の大学で受け止め、しっかりとした教育を受けさせたということ」と指摘する。日本の大学における人材の“裾野の広さ”が実を結んだとの見方だ。
地元の強みを活路に
ただ、現在の国立大を取り巻く状況は甘くない。少子化に加え、国からの運営交付金は国立大法人化後の10年で約1300億円が削減された。文部科学省も今年6月、人文社会科学系の学部の改組を求める通知を出すなど、絶えず環境変化の波にさらされている。
そうした中で、強みを生かした取り組みで活路を見いだす大学もある。
山梨大はブドウの名産地にある利点を生かし、「ワイン科学研究センター」を設立。ワイン産業で世界的に活躍できる人材の育成を目指し、ブドウ栽培やワイン醸造などの研究を行っている。
センター長の奥田徹教授は「ブドウ農家は『地元の国立大』ということで協力的」と、地元からの信頼の厚さを利点に挙げる。