カメラマンがモン族の父親にモニターで本人の画像を見せたところ、家族に見せるためにカメラ本体ごと持っていかれてしまった。しきりに「カメラを譲ってくれ」と頼まれていたが、何とか返してもらえたようだ。
日本の原風景にも似た棚田の絶景と、純粋無垢(むく)なモン族たちがぴたりとマッチする。いつまでも変わらずにいてほしい。
≪色とりどり 働く女性の民族衣装≫
さほど国土が広くないベトナムだが、54の民族で構成される多民族国家だ。キン族が大半を占め、残りはすべて少数民族となる。ラオカイからバスで1時間半ほどの避暑地サパとその周辺には黒モン族や赤ザオ族が暮らし、きれいな刺繍(ししゅう)の入った民族衣装を着て生活している。
少数民族の女性たちは働き者だ。朝早く起床して農作業にいそしみ、重い農作物を背負って街まで出て行商する。観光客が村に来れば刺繍の入った土産物を売る。そんな彼女たちが疲労回復のために入るのが、薬草風呂だという。夫婦にお薦めというから媚薬効果があるのかもしれない。