【KEY BOOK】「名人に香車を引いた男-升田幸三自伝」(升田幸三著/中公文庫、926円)
こんな斬新頑固な将棋打ちがいたということ、こんな波瀾破天荒の人生があったということ、酒も煙草も勝手起きも決してやめなかったこと、いずれも痛快だ。初の三冠をとるほどの剛腕でありながら、大山には苦杯を嘗めた。木村義雄に「名人なんてゴミのようなものだ」と嘯いたら木村が怒って「じゃあ、あんたは何だよ」と言うので、「そのゴミにたかるハエだよ」と一蹴した。羽生善治(はぶ・よしはる)が一番対戦してみたいのが「升田先生」だ。