地元の人たちに遅れまいとクアラルンプール中央駅の地下ホームに降りると、列車はすでにホームに入線していた。毎日深夜に1便のみを運行しているマレー鉄道の寝台列車だ。編成は機関車部分を除いて8両。先頭の1両だけが寝台仕様になっている。
私たちは2等寝台車(52マレーシアリンギット=約1430円)を予約していた。通常は1等寝台車の設定もあるとガイドブックに書いてあったが、この日の編成は2等のみ。通路の両側に上下1段ずつ、計40の寝台がある。すべて埋まっていた。
指定された番号の上段のベッドにまずは荷物をほうり上げ、撮影しながら周囲の様子をしばらく観察していた。グループでの旅行者は見当たらない。駅の待合スペースで会った女性が言っていたように、旅行ではなく、金曜の深夜便を利用した“週末帰省”でみんなそれぞれの故郷へ帰っていくのだろう。