定刻の午前1時2分から10分ほど遅れて、列車は静かに動き始めた。タイとの国境を越えた最初の駅である終点ハジャイには、午前11時40分の到着予定だ。タイはマレーシアよりもさらにマイナス1時間の時差があるので、12時間近い旅程である。
乗客たちがそれぞれの個室に収まり、落ち着くのを待って、私たちもはしごを使って上段のベッドにもぐり込んだ。
狭い空間だが、ベッドのクッションもまずまずの硬さで意外に心地いい。難点は、ルーム灯が壊れていて機能しなかったこと。眠くなるまで本でも読んで過ごそうと思ったが、カーテンを閉めると真っ暗になり、何もやることがない。仕方なく横になったら、そのまま眠りに落ちて朝まで目が覚めなかった。
≪歴史感じる車両 受け入れて満喫≫
横長の窓から差し込む淡い光で、目が覚めた。
深夜にクアラルンプール中央駅を出発したマレー鉄道は、古い車体をきしませながら、タイとの国境を目指して懸命に走り続けている。