≪らせん状のディアデマ≫(日本初公開)。紀元前4世紀末-紀元前3世紀初頭。金。ブルガリア、スヴェシュタリ出土ソフィア国立考古学研究所・博物館。(National_Institute_of_Archaeology_with_Museum-Sofia,Bulgaria提供)【拡大】
「金の宇宙」楽しんで
今回の展示品の地域は、黒海周辺にとどまらず、イタリア半島中部で活躍した古代民族エトルリアの金製品も展示している。その特徴は粒金(りゅうきん)とばれる、1ミリに満たない金の粒を使った超絶技巧が駆使されていることだ。この技術は紀元前2500年ごろからメソポタミア文明で始まり、ギリシャなどを経て、エトルリアに伝わったという。その技術の秘密は、20世紀になってようやく解明された。
飯塚研究員は、「展示の時代、地域ともに幅が広い。展示物の中でもとくにギリシャからまとまって作品がきて、しかも質が高い。また、トラキアのスケールの大きい金製品からエトルリアの微細な技術まで、『金の宇宙』を楽しんでもらえたらいい」と見どころを話した。(原圭介/SANKEI EXPRESS)
【ガイド】
■「黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝」 来年1月11日まで、国立西洋美術館(東京都台東区上野公園7の7)。一般1600円。(電)03・5777・8600。