ワンゲ国立公園のゾウの群れ。野生動物保護を求める声も、正規の狩猟や密猟とともに動く大金にかき消されているようだ=2015年10月29日、ジンバブエ(ロイター)【拡大】
今年7月に観光客に人気だった雄ライオン「セシル」が殺され、注目を集めたアフリカ南部にあるジンバブエで、今度は大量のゾウが密猟される悲劇に見舞われている。密猟者の狙いはもっぱら象牙で、猛毒を使った密猟も横行している。希少な野生動物の保護を求める声が大きくなっているが、ジンバブエ政府はなかなか重い腰を上げようとしない。狩猟とともに動く大金が関係しているようだ。
許可得ていたが…
英紙ガーディアンや米CNNテレビ(電子版)などによると、ジンバブエで最大級といわれたゾウがハンティングされたのは10月8日。ジンバブエ内部のゴナレゾウ国立公園に隣接する私有地で、ドイツ人が仕留めたという。このドイツ人は、国立公園周辺で狩猟するために4万ポンド(約740万円)を国立公園野生生物局(ジンパークス)に支払っていた。
アフリカ全土でみても、ここ30年間で最大級のゾウだったといい、各国の狩猟団体がドイツ人に“祝辞”を寄せたが、保護団体などは、怒りの声を上げた。