政府の援助なし
野生動物の狩猟をめぐり、欧米を中心にたびたび大きな話題となり、非難が巻き起こるものの、根本的な解決方法が打ち出されたことは皆無だ。これにはジンバブエ特有の問題が大きく絡んでいる。
経済が混乱するジンバブエではジンパークスが国立公園などを管理している。しかも政府から資金提供を受けておらず、ハンターや旅行者が現地に落とすお金で事業を行っているのだ。米が14年にジンバブエから野生動物の頭部持ち込みを禁止して以降、米から訪れるハンターが激減。そのため狩猟のために大金を支払うハンターは、大得意のお客さまで、大歓迎なのだ。
関係者によると、今回の大量毒殺も、給与に不満を持つ国立公園のパトロール隊員が、密猟者と組んだ犯行の可能性があるという。
直近にも、ゾウを毒殺した疑いで国立公園のパトロール隊員2人が逮捕された。ジンバブエでは象牙10キロの市場価格が1万9000ポンド(約353万円)といわれており、給与に不満を持っていた隊員2人は密猟者と結託、利益を山分けしていたとみられる。希少動物をめぐるジンバブエの闇は想像以上に深い。(SANKEI EXPRESS)