10月28日、南シナ海を航行中のイージス駆逐艦「ラッセン」の艦上で、医療搬送訓練を行う米海軍の隊員たち。この前日、ラッセンは中国が建設する人工島の12カイリ(約22キロ)内を航行した=2015年(ロイター)【拡大】
寄稿はその一方で、中国が実効支配するスカボロー礁(黄岩島)付近で台湾の公船は抗議を受けたことがないとして「どちらに立つべきかは決まっているのではないか?」と中国支持を呼びかけた。中国の立場を代弁することが多い中国時報だが、公的な研究機関職員の主張であり、見過ごせない。
こうした論理の背景にあるものが、中台の「中華民族」としての一体感なのか、単なる米国への反感なのかは分からない。ただ、フィリピンが求めた仲裁手続きについて、常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)が10月29日、管轄権があると判断したことに反論する台湾の外交部の10月31日付の声明が、「紛争当事者」として認められないいらだちを表しているようだ。裁判所は、ベトナムなど南シナ海周辺国だけでなく日本にも認めている傍聴を、台湾には認めていない。声明は「仲裁法廷が本案について中華民国(台湾)の意見を求めたことがない」として、裁判所の判断を「承認せず、受け入れない」と強く反発している。(台北支局 田中靖人(たなか・やすと)/SANKEI EXPRESS)