ヒンズー至上主義に反発
アドバニ氏らは、ビハール州議選での敗北について「BJPがこの1年で活力を奪われているということだ」とモディ人気の退潮ぶりを指摘している。
今回のBJPの敗因は、モディ首相の経済改革のペースが遅いことに加え、ヒンズー至上主義者のBJP幹部、活動家によるイスラム教徒など少数派を攻撃する発言や暴力事件への反発が挙げられている。
モディ政権発足後、インド各地では多数派ヒンズー教徒による少数派住民への暴力事件が頻発している。昨年来、キリスト教徒や教会への暴力が相次ぎ、今年9月28日には、ビハール州に隣接するウッタルプラデシュ州で、イスラム教徒男性が多くのヒンズー教徒に神聖視される牛の肉を食べたとの偽の噂を流され、暴徒に集団暴行を受けて殺害された。この事件では、BJP幹部の息子の活動家が暴行を主導した疑いで逮捕された。
BJP幹部やBJPの母体であるヒンズー至上主義組織、民族義勇団(RSS)幹部による少数派批判も後を絶たない。選挙戦さなかの10月29日には、BJPのシャー総裁が「BJPが負ければ、(イスラム教国)パキスタンでクラッカーが鳴らされる」とイスラム教徒への敵意をあおった。ビハール州少数住民問題委員会元委員長でイスラム教徒のアブドゥル・マリク氏は「住民を分断し、ヒンズー教徒からの集票を狙った」と反発する。