英市民団体「歓迎しない」
少数派住民を標的にする事件や発言に抗議し、最近、インドの作家や映画監督グループが政府から贈られた表彰の返上を表明した。PTI通信によれば、インド出身の英国の著名な彫刻家で高松宮殿下記念世界文化賞受賞者、アニッシュ・カプーア氏(61)も、「芸術は寛容さがある場所にのみ存在する。独裁的国家主義は創造力の可能性を許さない」と述べて、この動きに連帯する意志を示した。
ロンドンでは、モディ氏の訪英を控えた今月8日夜、英国に拠点を置く宗教憎悪に反対する市民団体が英国議会議事堂のウェストミンスター宮殿に、刀を振りかざすモディ氏の姿をユダヤ人などの絶滅政策を遂行したナチス・ドイツの「カギ十字」とともに映し出し、「モディは歓迎しない」とのメッセージを流した。
印ネール大のサッジャン・クマール研究員はビハール州の選挙結果について、「社会を分裂させようとの試みが軽蔑され、有権者はBJPを罰した」と指摘。米格付け会社ムーディーズの分析部門も、「モディ氏は、党員を抑えなければならない。さもないと、内外の信用を失う恐れがある」と警告している。(ニューデリー支局 岩田智雄(いわた・ともお)/SANKEI EXPRESS)