金曜夜のパリを襲った同時テロが世界を震撼(しんかん)させた。市民が集まった競技場や劇場を武装した男らが次々と襲う。「まるで戦場だ」。劇場での乱射は10分以上も続き、多数の遺体が横たわる床は血の海に。地元報道を基に「花の都」を恐怖のどん底にたたき落とした戦慄の一夜を再現した。
競技場周囲で爆音
惨劇の始まりは繁華街のカフェだった。パーティーのクラッカーのような音とともに、夜を楽しむ客に向けて男が銃を撃ち始めた。13日金曜日午後9時(日本時間14日午前5時)ごろ。男は向かいのカンボジア料理店にも銃弾を撃ち込み、計10人以上が命を落とした。
事態がさらに深刻化したのは、その約20分後だ。料理店から北に約6キロ。オランド大統領を含む観客ら約8万人が集まった競技場に突然、爆発音がとどろいた。サッカー・フランス代表とドイツ代表の親善試合が行われていた国立競技場「スタッド・ド・フランス」周囲3カ所で爆発が相次いだ。爆音は中継でも流れ、視聴していた国民にもショックは広がった。競技場は大混乱に。観客らは不安げな表情でピッチに降り立ち、テロに負けない意志を訴えるかのように、国歌・ラマルセイエーズを歌いながら競技場を去った。爆発で自爆テロ犯3人を含む少なくとも4人が死亡した。