白鵬がやぐらなげで隠岐の海(おきのうみ)を下し7戦全勝=2015年11月14日、福岡県福岡市博多区の福岡国際センター(永田直也撮影)【拡大】
行司軍配は相手方にあがったが、物言いがつき差し違えで白星が転がり込んできた。横綱昇進後初めてとなる休場明けの場所であわやの場面をつくったが、負けない。すさまじい粘り腰で劣勢を挽回した。
やぐら投げが決まった要因を問われると「ゆっくり休んだからじゃない」と笑顔で返す余裕。土俵下の藤島審判長(元大関武双山(むそうやま))は「諦めない気持ちがああいう大技につながった。すごいね」とうなる。目の前の勝負にかける横綱の執念が取り口に表れた。
やぐら投げの軸は左足だった。先場所休場する原因となった傷の回復が順調に進んでいることを示す勝利といえよう。復帰場所で早くも単独首位を走る第一人者。折り返し地点を前に勢いをつけてくれそうな1勝をつかんだ。(藤原翔/SANKEI EXPRESS)