「なぜテロを防ぐことができないのか」「次はどこが標的になるのか」。1月の風刺週刊紙シャルリー・エブド襲撃事件に続きテロの標的となったパリでは募る不安とともに住民の間で摩擦が深まっている。
「事件はイスラム教とは関係がない。犯人たちはテロリストだ」
事件から一夜明けた14日。テロに見舞われ10人前後が死亡したパリ中心部のカンボジア・レストラン前で、イスラム教徒の30代の男性が声をあげていた。「過激主義をもたらしたイスラム教に問題がある」と主張する老女と論争になり、周囲には人だかりができていた。レストランの窓ガラスは割れ、玄関には黒ずんだ血痕が残る。人々がささげた花束のそばで、警察官が警備に当たっていた。
イスラム教へ高まる反感
人口約6500万人のうち、1割という欧州最大のイスラム教徒を抱えるフランス。英BBC放送は、同時テロを受けて「移民やイスラム教への反感が津波のような高まりを見せている」と伝え、「イスラム教徒であるといえば、仕事にも支障が出る」という移民出身者の声を紹介した。
1月の週刊紙襲撃事件は社会に溶け込めず、疎外感や差別、格差に強い不満を抱く移民出身の若者たちが、西欧文明の破壊を呼びかけるイスラム過激思想に染まっていくという重い現実を突きつけた。