最近ぼくは、日本人がもっと仏教を思索にとりいれたほうがいいと強く思うようになった。イケメン坊主に惹かれるのもいいが、日本の近未来のために仏教感覚を身につけてほしい。40冊の中村元のうちのせめて1~2冊と向き合って、「東方」の思索を味わうことを勧めたい。元さんが文明の元気の根本を教えてくれる。
【KEY BOOK】「東洋人の思惟方法」(中村元選集1~4巻/春秋社、3780円・3780円・4320円・3240円)
最初の研究は「梵我一如」「不二一元論」のヴェーダンタ哲学で、初期の労作は原始仏典翻訳だが、中村元の名が一般に知られたのは『東洋人の思惟方法』だ。江戸の仏教学者の富永仲基がインド「幻」/中国「文」/日本「絞」としたことを鵜呑みにせず、本格的な検証をして比較思想の基準を築いた。鶴見俊輔・鶴見和子が称揚し、いまでは世界中の東洋学の基本テキストになっている。
【KEY BOOK】「大乗仏教」(中村元選集20~23巻/春秋社、9720円・10260円・9180円・8316円)