日馬富士(はるまふじ、右)が押し出しで栃煌山(とちおうざん)を下す=2015年11月18日、福岡県福岡市博多区の福岡国際センター(共同)【拡大】
勝負師の勘が戻ってきたような取り口だ。この日も出番前の支度部屋で、黙々とてっぽうを繰り返すなど入念な準備を怠らない。気合を高めて上がった土俵では徹底的に突き放し、もろ差し速攻が得意な関脇に相撲をさせなかった。
体の小さい31歳の横綱は「若いころは朝から稽古していたけど、今はその力はない。なるべく体を休め、一番にエネルギーをぶつけている」と言う。
2場所連続休場の要因となった右肘痛だけでなく、体の節々にガタがきている。豊富な稽古量で最高位にたどり着いたが、現実ときちんと向き合い、日々の過ごし方も改めた。
白鵬とは13日目の対戦が予想される。2年前の九州場所を最後に賜杯から遠ざかる横綱に、北の湖理事長(元横綱)は「14日目以降に望みをつなげるようにしないと」とハッパを掛けた。(SANKEI EXPRESS)