11月10日、フィリピン・首都マニラで、ベニグノ・アキノ大統領(右)を表敬訪問した中国の王毅(おう・き)外相(左)。席上、王氏は、18、19日にマニラで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場で「賛否両論のある問題(=南シナ海問題)」を持ち出さないよう求めた=2015年(AP)【拡大】
南シナ海に関して、中国が領有権を主張する根拠は、1947年に中華民国(中国国民党)政府が発表した南シナ海の海域ほぼ全てを囲む境界線(十一段線)だ。中国政府は53年に「九段線」と名称を変更したが、国際法上の根拠は曖昧で、緯度も経度も明示されていない。中国は九段線の内側全ての島と資源に対し権利があると一方的に主張し、この海域にある離島への領有権を主張するフィリピンやベトナムなどの反発を招いている。
胡錦濤政権時代までは、領有権の主張が言葉だけにとどまることが多かった。しかし、習近平政権が発足してからは石油の掘削や人工島建設など、この海域において大規模な開発や探査作業を始めた。中国海軍がフィリピン海軍などとにらみ合う場面もあった。
根拠のない「九段線」
中国は南シナ海の問題に対する米国など国際社会の関与を拒絶し、当事国同士による解決を主張している。軍事的圧力をもって、領有権があるという既成事実をつくろうとしている。