11月10日、フィリピン・首都マニラで、ベニグノ・アキノ大統領(右)を表敬訪問した中国の王毅(おう・き)外相(左)。席上、王氏は、18、19日にマニラで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場で「賛否両論のある問題(=南シナ海問題)」を持ち出さないよう求めた=2015年(AP)【拡大】
フィリピンは2013年1月、国連海洋法条約に基づいて仲裁裁判所に提訴し、「中国が主張する九段線の中の岩礁や海洋を一方的に占拠し、フィリピンの権利を侵害した」と訴えた。これに対し中国は「主権にかかわる問題だ」として仲裁裁判所には管轄権がないと主張、今年7月に行われた口頭弁論にも参加しなかった。
しかし今回、中国当局による水面下の激しい妨害活動が奏功することなく、仲裁裁判所がフィリピンによる15件の訴えのうち、7件についての管轄権を認め、審理入りを決めた。中国の主張が却下された形で、中国外務省の報道官はすぐさま、「フィリピンが提出した南シナ海の仲裁案は受け入れられない」と強く反発し、「決定は無効で、中国に対して何の拘束力も持たない」と強調した。
中国はこれまで「我が国は南シナ海で2000年以上の活動の歴史を持ち、主権に疑いがない」と繰り返して強調しているが、この海域を実効支配した証拠などをほとんど出していない。これに対し、フィリピンなどは1950年代以降、海域の多くの離島を管理してきた実績がある。裁判所に対して中国より多くの証拠を提出できるとされる。