11月10日、フィリピン・首都マニラで、ベニグノ・アキノ大統領(右)を表敬訪問した中国の王毅(おう・き)外相(左)。席上、王氏は、18、19日にマニラで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場で「賛否両論のある問題(=南シナ海問題)」を持ち出さないよう求めた=2015年(AP)【拡大】
敗訴続けば政権に影響も
仲裁裁判所での本格審理は来年1月ごろに始まるが、中国は欠席するとみられる。裁判でフィリピンの主張のみが認定され、中国に不利な判断が下される可能性が高いといわれる。
九段線に反発する国は他にもあり、インドネシアのルフット・パンジャイタン調整相(68)=政治・法務・治安担当=が今月11日、報道陣に対し、九段線の問題で国際司法機関に提訴する考えを明らかにした。ベトナムもそれに続く可能性がある。
中国の政府系シンクタンクに所属する国際関係学者は、「中国の南シナ海に対する領有権主張の国際法的な根拠は曖昧だ。九段線の具体的な定義について政府が明示したことはなく、私たちもよく分からない。仲裁裁判所で中国が勝つ可能性は低い」との認識を示した上で、「中国が無効だと主張しても、国際的な司法の場で次々と敗訴するような展開になれば、国際社会でさらに孤立するだけでなく、国内における政権の求心力にも影響を与えるかもしれない」と話している。(中国総局 矢板明夫(やいた・あきお)/SANKEI EXPRESS)