さらにロシアのプーチン大統領が、23日、イランの首都テヘランで最高指導者のハメネイ師と会談した。その結果、ISに対するロシア・イラン・フランスの連合が形成されかけた。この3国連合ができると、アサド政権の権力基盤が強化され、結果としてイランの影響力が強まる。「アラブの春」以後の中東アラブ地域の混乱に乗じて、中東での影響力拡大に腐心していたエルドアン政権としては都合の悪い事態になる。そこで、トルコ空軍機がロシア空軍機を撃墜すれば、両国関係が悪化し、その結果、NATO(北大西洋条約機構)でトルコと同盟関係にあるフランスは、ロシアと軍事的に提携することが難しくなる。それを狙ってトルコが起こした謀略であると、ロシアは考えているのであろう。このシナリオが事実でなくても猜疑心の強いロシアはトルコの悪意を確信しているので厄介だ。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優(まさる)/SANKEI EXPRESS)