新国立競技場の財源負担について合意し、笑顔で握手する(左から)馳浩(はせ・ひろし)文部科学相、舛添(ますぞえ)要一東京都知事、遠藤利明五輪相=2015年12月1日午前、東京都千代田区(共同)【拡大】
ただ、遠藤氏も500億円を大きく下回れば「顔が立たない」(周辺)。このため、別の数字の読み方も用意した。都が本来支出すべき関連工事費37億円を加えれば負担は「432億円」だ。「こんなもんですよね」。合意の数日前、会合で顔を合わせた遠藤氏に対し、舛添氏は満足げな表情を見せた。
もう一つ、都がこだわったのが、負担に根拠を持たせる法律の整備だった。根拠なしに税金を支出すれば住民訴訟を起こされる恐れがある。都議会関係者は「新国立とエンブレムの撤回で五輪のイメージは低下しており、これ以上のダメージを避けるため法整備は必須だった」と指摘する。
1日午前の3者会談で遠藤五輪相は舛添知事に「負担をお願いしたい。ご理解とご協力を」と切り出し、知事が要望すると馳浩(はせ・ひろし)文科相が法整備を約束。写真撮影では舛添知事に真ん中に立つよう促す配慮まで見せた。都幹部は「金額も下がり、法律も整う。しっかりと知事のメンツを立ててもらった」と話す。ある都議は「知事としては、国からお願いされて払うという形が重要だった」と解説した。