一方、「黄金列車」の伝説とは、第二次大戦末期にソ連軍の攻撃が迫る中、敗色濃厚のナチス・ドイツが略奪品である金塊、ダイヤモンドをはじめとした宝石類を大量(推定200億円相当)に軍用列車に積み込み、隠すために地下トンネルに入れて埋設させたというものだ。戦後70年来、地元で語り継がれ、今年8月、ドイツ人とポーランド人のトレジャーハンター2人が、70年前に黄金列車の埋設作業に携わったとされる男性の臨終の床で、埋められた場所を聞き出すことに成功。“遺言”に基づき、地中探知レーダーで捜索したところ、旧市街地付近の封印された地下トンネルの中に長さ120~150メートルの装甲列車を発見し、ポーランド政府に届け出たのだった。
宝は周辺か敷地内?
ポーランド文化省も、地下に埋められた装甲列車の存在を公式に確認。「慎重に積載物を調べる」(ピヨトル・ジュコフスキ文化副大臣)としているが、地雷や不発弾がまぎれている可能性が高い地点に列車は埋められており、発掘作業はまだ進んでいない。また、埋められた場所も「お宝探しが始まってしまったら大混乱する」(ジュコフスキ氏)という理由で明らかにされていない。