日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=2013年10月29日、千葉県内(野村成次撮影)【拡大】
「方便」とはもともと仏教用語で、お釈迦様が人々の能力や心の状態に合わせ、悟りに導くための方法として使われたものです。つまり人を正しい方向に導くために使うのが「方便」であり、人に迷惑をかけたり、ごまかしたりするために使う「嘘」とは大違いです。
たとえば母親が子供を育てるにあたり危険を回避させるためや悪いことをさせないためにより多くの方便を手だてとしています。それによって子供は健やかにまっすぐに成長することができます。
またお医者様も病人のために方便を使うことがあります。今以上に病状を悪化させないために、病人の心の苦痛を和らげるために。「方便はいつか真実の中に溶け込んで、しまいには真実と一体になる」と学びましたが、子供を思う親の愛情やお医者様の病人への思いやりからの方便は、仏様の慈愛と同等のものといえるのではないでしょうか。