移民・難民が住むフランス北部カレーのキャンプで、取り締まりを行う警官ら。同時多発テロ後の緊急事態がなお続いている=2015年12月4日(ゲッティ=共同)【拡大】
フランスの非常事態は一般法に基づいており、憲法で規定することにより法的基盤を強化するのが狙いだ。仏メディアによると、危機時の対応をより柔軟にするため、延長幅の制限を撤廃し、治安当局に認める特別措置の拡大も検討している。
しかし、非常事態の強化は国民生活の制限につながりかねない。現政権は「自由や人権の擁護」に比重を置く左派の社会党政権だけに、右派への「転向」とも表現される。一方で、治安への不安が高まれば、反移民を掲げる極右政党、国民戦線が勢いづく。6日の地方選挙第1回投票で国民戦線は得票率で首位となった。
治安強化には「オランド氏は自由を侵し、テロリストのわなに落ちた」(仏左派系紙リベラシオン)との批判もあるが、バルス首相は「自由のためにもまず治安だ」と反論する。
「国境」で亀裂
フランスは、テロを実行したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)への空爆も強化した。テロは欧州各国のISに対する政治判断にも変化をもたらし、英国はシリア空爆への参加に踏み込んだ。軍事行動に慎重なドイツも後方支援のために部隊を派遣した。フランス支援で欧州は団結した。