埋め立て地に立つ大阪府の咲洲庁舎(さきしまちょうしゃ、手前)と、日本一の超高層ビル「あべのハルカス」(奥)。長周期地震動が来れば、人が立っていられないほどの揺れが想定される=2015年12月17日、大阪市住之江区(共同)【拡大】
室内では家具や事務機器が猛スピードで飛んできてけがをしたり、停止したエレベーターに閉じ込められたりする恐れがあり、家具の固定や救出訓練などの対策を求めている。
≪戸惑う府議員「大きな被害避けられぬ」≫
内閣府が公表した長周期地震動の超高層ビルへの影響の試算で、大阪湾の埋め立て地にある大阪府咲洲庁舎(地上55階、256メートル)では最大揺れ幅6メートルとの推計値が示され、府職員からは戸惑いの声が上がった。国土交通省は業界に建設時の対策を義務付け、被害の最小化を目指す方針だ。
東日本大震災上回る
「倒壊は免れても、これでは大きな被害は避けられない」。推計を見た大阪府の担当者はうなった。咲洲庁舎は東日本大震災の長周期地震動で10分にわたり最大2.7メートル揺れ、天井など360カ所が損傷、エレベーターは32台全てが止まった。
府は約13億円で制振装置などを取り付けたが、抜本対策は先送りしてきた。今回のデータを基に建物の弱点を解析し、計画をまとめる方針だが、震災時の2倍を超す推計が示されたことで、担当者は頭を抱える。