埋め立て地に立つ大阪府の咲洲庁舎(さきしまちょうしゃ、手前)と、日本一の超高層ビル「あべのハルカス」(奥)。長周期地震動が来れば、人が立っていられないほどの揺れが想定される=2015年12月17日、大阪市住之江区(共同)【拡大】
ただ一般には長周期地震動の危険性はあまり認識されていないようだ。200メートルを超えるビルが林立するJR名古屋駅周辺。ミッドランドスクエア(地上47階、247メートル)がある名古屋市中村区では揺れ幅2メートルと推計されたが、最上階に近いレストランをよく利用するという男性(78)は「ゆっくり揺れる長周期なら、そんなに不安はないのでは」と話した。
巨大な振り子設置
建設業界は新たな技術を開発し、長周期地震動への対応を進めている。
大阪市阿倍野区で昨年全面開業した日本一の超高層ビル、あべのハルカス(地上60階、300メートル)は低、中、高層階に別々の技術を用い、全体で揺れを抑える構造になっている。テナントには机やコピー機、自動販売機など固定が必要なものをマニュアルで提示。推計を受け、エレベーター停止時の最上階展望フロアからの避難誘導方法などを検証する。
三井不動産は4月、東京都新宿区の新宿三井ビルディング(地上55階、210メートル)の屋上に巨大な振り子を設置した。300トンの重り6基が揺れと反対に動き、ビルの姿勢を安定させる。東日本大震災の時に約2メートル生じた横揺れを約80センチに抑えられるという。築41年の古いビルでも対策が施せることを示した。