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40年の時を超え 失われた可能性を再現 「太陽の鉛筆」 椹木野衣 (3/6ページ)

2015.12.28 16:30

東松照明_波照間島(提供写真)。(C)Shomei_Tomatsu-INTERFACE

東松照明_波照間島(提供写真)。(C)Shomei_Tomatsu-INTERFACE【拡大】

  • 東松照明_波照間島(提供写真)。(C)Shomei_Tomatsu-INTERFACE
  • 東松照明_新城島(提供写真)。(C)Shomei_Tomatsu-INTERFACE
  • 東松照明_フィリピン、サンボアンガ(提供写真)。(C)Shomei_Tomatsu-INTERFACE
  • 東松照明の作品の展示風景=2015年12月24日(原圭介撮影)

 沖縄の強烈な日差しと陰翳

 このうち前者の原版となったニュープリントを展示したのが、今回ここで取り上げる展覧会、東松照明「太陽の鉛筆」である。それにしても、東松の唱える「太陽の鉛筆」とは、いったいなにか。

 タイトルは、世界初の写真集とされるウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット『自然の鉛筆』(1844~46)から取られている。この標題でタルボットは、それまで画家の本領とされてきた鉛筆によるスケッチに取って変わるものとして写真を考えた。主観をまじえず対象を写し取る写真のこの特性を、東松は1969年に出会った沖縄の強烈な日差しと陰翳(いんえい)に投影した。

 写真が撮るのではない-太陽が撮るのだ、というこの特異なヴィジョンは、その後、東松の活動拠点を沖縄に移させ、沖縄返還後は正式に移住するに至る。当初、東松の関心は、シリーズ「占領」に代表される、基地を抱えた沖縄の現実にあった。ところが『太陽の鉛筆』では、こうした社会的・政治的関心は、少なくとも表面上は後退している。

陸と違って、海に明確な国境線はない

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