修正一切加えず
ただのコピーではなく、「原画′」という名前で区別するのには理由がある。傷や汚れを消し、場合によっては色も少し補正するのが一般的な複製原画の作り方だが、原画′はあくまでも現状の原画をそのままアーカイブすることが目的のため、修正は一切加えない。カラー原画の色ムラや、黄色く変色したビニールテープの貼り跡、編集者が青いペンで書いたページノンブルなど、一見意味のなさそうな情報が、実は時代背景や作家の仕事がよりよく理解できる貴重な資料であるからだ。こうしたコンセプトの下、現在まで21作家の原画700点をもとに、何度も調整を重ね、限りなくオリジナルの絵に近い原画′として制作してきている。これら原画′は、水や光に強いため長期間の展示が可能な上、破損・紛失の危険に対する負担が少ないという理由から、海外での展覧会にも貸し出しやすい。実際、これまでフランスのパリやハンガリーのブダペスト、オーストラリアやイギリスなどでも原画′の展覧会を開き、高い評価を得た。