東京証券取引所で行われた大発会で、株価ボードの前に並んで記念撮影をする晴れ着姿の女性たち=2016年1月4日、東京都中央区(早坂洋祐撮影)【拡大】
≪波乱の幕開け 中国減速、米利上げで暗雲≫
2016年最初の取引日となった4日、日本と中国の株価が急落し、欧州株も大幅安で始まるなど世界経済は大荒れのスタートとなった。第2の経済大国、中国の景気減速が続くとみられるうえ、米利上げが他国の経済や市場に及ぼす影響も見極め切れず先行き不透明感が強い。世界経済は成長を続けるものの、ペースは緩慢になる見通し。各国は不測の事態への備えが求められそうだ。
成長目標引き下げへ
中国の一層の景気減速は避けられない情勢だ。過去の積極的な投資の反動で住宅在庫が積み上がり、鉄鋼など素材産業は過剰な生産設備を抱え経営が悪化している。
李克強首相は昨年11月、今後5年間の実質経済成長率目標を平均6.5%以上(15年は7%前後)に引き下げる考えを示唆した。市場では「16年について金融、財政の両面から大規模な対策が打ち出されない限り、達成は困難」(野村証券)との声が上がっている。