東京証券取引所で行われた大発会で、株価ボードの前に並んで記念撮影をする晴れ着姿の女性たち=2016年1月4日、東京都中央区(早坂洋祐撮影)【拡大】
政府は成長鈍化を容認してでも、過剰設備の解消など構造問題に取り組む構え。中国経済の動向に今年も世界が振り回されそうだ。
米国の景気は中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に大きく左右される見込み。
FRBは前月、9年半ぶりに利上げに踏み切った。イエレンFRB議長は「金利を徐々に引き上げても景気は緩やかな拡大を続け、雇用環境も一段と上向く」と強調。多くの市場関係者は16年に2%台前半の成長が続くと予測する。
米失業率は5%まで下がり、就業者数も増えているのに、賃金の伸びは鈍いまま。ドル高や原油安の影響で物価も低迷している。追加利上げを急げば、米国への投資マネー流入が加速してドル高が進み、輸出の減少を通じて景気全体に悪影響を与えかねない。
困難な物価上昇2%
日本は緩やかな回復基調を維持しそうだ。好調な企業業績が賃上げや設備投資につながるとみられるためだ。17年4月の消費税率引き上げに向けた駆け込み需要も寄与する見込み。クレディ・スイス証券は16年の成長率を0.9%と予想する。