初めてマイナスとなった10年国債の利回りを示すボード(手前下)=2016年2月9日、東京都中央区(寺河内美奈撮影)【拡大】
それでも国債の売り圧力が強まらないのはなぜか。日銀のマイナス金利政策が16日に始まれば、世の中の金利水準はさらに低下(価格は上昇)するとの見方が広がっており、「マイナス利回りでも高値で売却できる」ともくろむ投資家が多かったためだ。
「市場の金利水準が下がることで企業や個人が借り入れを増やし、投資や消費が拡大する」
日銀は新政策の導入でこんなシナリオを描いたが、これらの効果が出てくるまでには時間がかかる。それよりも、金利が低くなってもうけにくくなる円が売られ、円安ドル高による企業業績の改善効果が先に出てくるとみる市場関係者も多かった。
しかし、1月29日のマイナス金利政策の導入決定直後にいったん1ドル=121円台まで売られた円相場は、9日には一時114円台まで買い戻された。日銀の新政策のみでは、世界経済の先行き不安を払拭できず、市場では「焼け石に水」(エコノミスト)との批判もくすぶる。