ポンドが世界基軸通貨だった時、貿易赤字だったイギリスは、赤字を埋めて余りある資本輸出があったように、今の日本は、原発停止による石油ガス輸入増に起因して貿易赤字ながら、特許収支は過去最高の黒字であることや、所得・サービスを含めた経常収支と、資本収支や外貨準備から、国民資産まで総合的な国家経済力をみることで、立派な黒字国家であることを自覚すべきだと考えます。
この実力を生かすには、「未来起点」に立って、日本の強みである創造力・企画力・融合力・デザイン・職人技能などと、現場力・改善力を合体させつつ、高い目標に向かって、横並びや他を意識せずに、挑戦し続けることが肝要です。それができるのは、モノでもカネでもなく、情報の価値を見抜く眼力を養い、考え方の芯を働かすことができる「ヒト」に尽きるわけで、人材養成の要諦は教育に行きつきます。
ただし、真の教育とは幼児期に始まり一生続くべきで、単に学校での受動教育に限定することなく、家庭教育・社会教育・職場教育の三位一体が極めて重要であることを忘れず、さらに少年期以後の自己啓発を一生続けることこそ最重要ではないかと考える次第です。世界の中の日本をきちんと見据えて軸足をおろし、一方で諸外国をも良く知ることで、片足をその国へ踏み込むことができる“二本足の日本人”が増えることで、未来の展望が開けてくるでしょう。