これについてファイナンシャル・プランナーの前川貢さんは、「低金利のうちに長期資金の調達を増やしたいと考える発行体が増え、発行額も大きかったため、広く個人にも販売される結果となりました。預金や国債に比べ利率が高いため、個人も積極的に購入したようです。発行体と個人のニーズがマッチして、個人向け社債の発行額が増えたのでしょう」と分析する。
実際、魅力的な利率のものも目立つ。ソフトバンクが6月に発行した個人向け5年債の利回りは年率1・74%(税引き前。以下同)。2010年以来の起債となったマネックス債も、1年債1・0%(3月)、6カ月債0・7%(6月)と定期預金をはるかに超える利回りだ。
一方、年4回(四半期に1回)募集を行なっていた個人向け国債「変動10年」「固定5年」も2013年12月募集分から毎月発行となった。ちなみに、12月募集分の変動10年は年率0・43%。リスクとリターンを見ながら、個人向け債券を賢く選ぶ時代がやって来た。