個人が社債を購入するときは、償還まで持つのが基本だ。債券は発行体が利子や額面金額の支払いをあらかじめ約束している商品。償還まで持てば、定期的に利子を受け取り、償還時には額面金額を受け取れる。しかし、途中で売却しようとすると、流動性が低く結局は証券会社に買い取ってもらうことになる場合が多い。そうなると、元本割れする可能性が高い。そもそも債券は、市場金利が上昇すれば価格が下落し、金利が低下すれば価格は上昇する。現在のように金利先高観が出ているタイミングでは途中売却すると、元本割れしてしまうわけだ。
また、金利先高観という面で見れば、10年債など中長期債を購入すると、途中で金利が上昇し、償還まで利率の変わらない社債を持っていると不利になる可能性もある。「せいぜい期間が2?3年程度の社債を保有するのが賢明」と前川さん。一方、「発行体の信用リスクを見るのも基本」とは久保田さん。
社債は償還まで保有すれば額面金額が返ってくるが、発行体が破綻してしまったら、元本が戻らない可能性がある。「過去にマイカル、武富士などが破綻した際、個人投資家にも被害がおよびました」(久保田さん)