先週イタリア人の友人の結婚式に出席した。新婦が日本人ということもあり、何人かの和服姿の女性がいた。
その場で知り合ったイタリア人の女性と立ち話をしていたら、少し距離のある場所にいた女性の和服を指して彼女がこう言った。
「あの薄いピンクはパジャマみたい」
ぼくは恥ずかしながら和服の知識が充分にない。どのスタイルがどういう場で正式とされるのかをよく知らない。が、日本ではセンスが良いと思われるだろう薄い桜色の着物をパジャマと連想するほどに無知でもない。
以前、このコラムでも書いたことがあるが、イタリアにおいてベビーピンクは体の大きな面積に使う色ではない。米国や日本の女性国会議員がピンクのスーツを着ている場面をみるが、イタリアの女性はそういう色使いをしない。アクセサリーの類に使われてきた。したがって、くだんの女性はピンクといえば子どものパジャマを思い浮かべたわけだ。
これを無粋と言ってはいけない。
虫の鳴き声に情緒を感じないと感性が低いと言い、それが分かるのは日本人だけと語る人がいる。自然現象、例えば日本語の雨に関する表現が多いことを詩情溢れる証として語る人もいる。
ぼくが知る限り、虫の鳴き声を頻繁に耳にする人たちは日本人に限らず、過去の記憶と共に感傷的になる傾向がある。エスキモーは雪に関する言葉が日本語よりも豊富だという。
つまりエスキモーから「日本人は無粋だね」と言われる位置にある。