長く遥拝の対象として神聖化され、平安初期すでに日本誕生神話・コノハナノサクヤヒメを主祭神と仰ぐ浅間神社があったことに端を発し、中世、近世にかけて全国的にそのネットワークを広げ、加えて、三保の松原周辺の文化財、特別名跡を多々誕生させてきました。その雄大な孤立峰として山体の美しさ、眺観風景、四季を通じた多彩な変幻ぶりは、数々の芸術作品の効果的題材となり、古代からの和歌・文学、中世の墨画、絵巻、近世の浮世絵、日本画・洋画や現代の写真まで数多の芸術作品を生み続けております。
もちろん自然の豊かさは、多彩な動植物を育み、特に豊富良質な地下水や温泉などだけでも、立派な自然遺産としての価値もありそうです。
心まで豊かにする「和食文化」
もう一つは、和食がユネスコの無形文化遺産として「日本人の伝統的な食文化が社会の連帯に大いなる役割を果たしている」と評価されての登録決定趣旨は、まさに「おもてなし」文化の世界的評価と捉えておくべきでしょう。